正社員希望の方にぴったり?紹介予定派遣の働き方とは

公開日:2022/12/15  最終更新日:2022/10/13

「派遣社員」と聞くと、短期雇用で契約期間が終われば雇用を打ち切られてしまうマイナスイメージを持つ人も多いのではないでしょうか。たしかに派遣社員という働き方にはデメリットもありますが、ステップアップして正社員になれる可能性もあります。今回は正社員希望の人にとくにおすすめの「紹介予定派遣」について詳しく解説します。

紹介予定派遣という働き方

そもそも紹介予定派遣とは、具体的にどういったものなのでしょうか。紹介予定派遣は、普通の派遣と同じく派遣会社に登録して派遣先の会社に出向して働きますが、普通の派遣との最大の違いは企業と労働者直接雇用を前提としている点です。派遣期間が終了した時に派遣労働者と派遣先企業の両方の合意があった場合、派遣ではなく直接雇用という形に切り替えることができます。

最長6か月の派遣期間の中で実際に仕事をすることで、仕事内容や会社の雰囲気などを見極めて判断できるため、労働者にとってもメリットが多い働き方のうえ、企業側にとっても下手に採用して「思っていたような人材と違った」ということになりにくいため、利用する割合が増えてきています。

派遣会社と期間を決めずに契約する「無期雇用派遣」というものもありますが、こちらはあくまでも派遣会社と雇用関係にあるので、福利厚生や各種制度も派遣会社のものが適用されます。また、無期雇用派遣は就業先の会社が変わる可能性がありますが、直接雇用であればずっと同じ会社で働くことができます。無期雇用派遣は、派遣先の会社ではなく派遣会社に所属しているというのが紹介予定派遣との大きな違いです。

直接雇用されて、1つの職場で長く働き続けたいと思っている人には紹介予定派遣が向いていて、色々な会社で働いて経験を積みたいという人には無期雇用派遣が向いているといえます。どちらにもメリットとデメリットがあるので、自分がどのような働き方をしたいのかを考えて判断するとよいでしょう。

紹介予定派遣に関する法律

紹介予定派遣として働く際に知っておきたいのが、紹介予定派遣に関する法律です。ここではいくつか代表的なものを紹介します。

期間が決まっている

紹介予定派遣では、派遣期間が6か月以内と決まっています。6か月を超える期間で契約することはできません。ただし、派遣労働者・派遣先の会社・派遣会社の三者の合意があれば、紹介予定派遣の契約を途中で打ち切ることもできます。

また、もともとは通常の派遣として働いていても、この三者の合意があれば途中で予定紹介派遣に切り替えることもできます。

直接雇用後の試用期間がない

予定紹介派遣から直接雇用に切り替えて労働者を受け入れた場合、受け入れ先の会社がその労働者に試用期間を設けることはできません。

そもそも予定紹介派遣が試用期間のようなものでもあり、会社は派遣期間中に充分その労働者の能力を吟味できるはずです。それなのに直接雇用後にさらに試用期間から始めるというのはおかしな話ですよね。

また、直接雇用を拒否したのにもかかわらず、同じ労働者をまた派遣社員として雇うことも禁止されています。

直接雇用を拒否するのには理由が必要

予定紹介派遣は派遣期間終了後に直接雇用に切り替えることを前提とした派遣制度です。労働者ももちろんそのつもりで働いていますよね。

そのため、会社が明確な理由なしに直接雇用を拒否した場合、労働者はその理由を明示するよう会社に求めることができるうえ、会社はそれに対して書面などで回答する義務があります。企業側の一方的な都合で直接雇用を拒否されることのないよう、法律によって労働者の権利が守られているのです。

事前の面接が可能

通常の派遣と違い、紹介予定派遣の場合は就業開始前に面接を行うことが可能です。それだけ会社も採用に真剣になっているということなので、労働者としてもそれなりに面接対策が必要になります。

直接雇用で正社員になれる確率は意外と低い?

予定紹介派遣を経ていずれは正社員になりたいと考えている人にとって、実際に派遣期間終了後に直接雇用まで辿り着けるのかどうかは死活問題ですよね。実は、予定紹介派遣から正社員になれる確率は25~30%程度となっています。

この数字を見て「それだけしかなれないの?」と思う人も多いはずです。しかし、これはあくまでも「正社員としての採用」の数字です。直接雇用には正社員のほかにも契約社員やパートなどの雇用形態が存在します。これらも含めて直接雇用につながった割合は約50%といわれています。

もちろん会社側が直接雇用を断るだけではなく、労働者側が実際に働いてみて「思っていた仕事と違った」「もっと別の会社を探したい」と思ってしまい直接雇用を辞退している場合もあるので、そう考えると一概にこの数字を低いともいえないのではないでしょうか。

まとめ

昔と違い、今はさまざまな職種や働き方があります。「何がなんでも終身雇用の正社員」という価値観を捨て、ライフスタイルに合わせて柔軟な働き方をする人も増えてきています。予定紹介派遣もその中の1つで、労働者にとって多くのメリットがある働き方です。右も左も分からず直接雇用されて後から後悔するよりも、予定紹介派遣で実際に働いてその会社をジャッジしてから直接雇用してもらえたら安心ですよね。

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