ブラックな派遣会社の特徴や見分け方は?

公開日:2025/02/17  

ブラック企業

派遣社員として働く上で、派遣会社選びは非常に重要です。ほとんどの派遣会社は問題ありませんが、中には労働者の権利を軽視するブラックな派遣会社も存在します。安心して働くためにも、信頼できる派遣会社かどうかを見極めることが肝心です。そこで今回は、ブラックな派遣会社の特徴や見分け方を紹介します。

ブラックな派遣会社の特徴

登録をおすすめしない派遣会社の特徴を紹介します。

会社の規模が小さい

派遣会社に登録する前に、まず会社の規模を確認してみましょう。誰もが社名を聞いたことのある大手派遣会社であれば、安心して働くことができるでしょう。

派遣会社を選定するにあたっては「求人の質・数」「サポート体制」の2つの要素が重要です。大手派遣会社であれば豊富な求人数を取り扱っており、人員が充実しているのでサポート体制にも心配ありません。

しかし、中小の派遣会社の場合、求人の質が悪く、就業先としてブラック企業を紹介されることがあります。また、人手が足りていないので、十分なサポートを受けられないケースも少なくありません。

とくに、初めて派遣社員として働き始める方にとって、自力で求人の質を見極めるのは困難です。働き始めてからのミスマッチを防ぐためにも、派遣会社に登録する際には大手派遣会社を選ぶことをおすすめします。

中小派遣会社なのに求人数が異常に多い

中小規模の派遣会社にも関わらず、求人数が異常に多いという場合にも注意が必要です。一般的に、派遣会社は規模が大きいほど、求人数も多い傾向にあります。中小規模なのに数万件の求人数を謳うような派遣会社は「空求人」や「釣り求人」を掲載している可能性があります。

空求人とは、求職者の登録を促すために用意された架空の求人のことです。実際には募集しておらず、登録後に問い合わせると「応募が終了した」と言われ、応募することができません。

また、釣り求人とは、実態とかけ離れた嘘の条件を掲載した求人のことです。実際に働き始めると、条件が異なるため、トラブルになる可能性があります。

このような求人は、悪徳な派遣会社が自社に登録してもらうことを目的としてサイト上に掲載しています。一見すると魅力的に感じますが、実際にその求人の条件で働くことはできません。むしろ、空求人や釣り求人をえさにして、悪質な求人を紹介されることもあるため気をつけましょう。

掲載求人数が少なすぎる

一方で、求人数があまりに少ない派遣会社もおすすめできません。求人数が少ないと選択肢の幅が狭まってしまうため、希望に合った求人を紹介してもらえる可能性は低いでしょう。

せっかく担当者と面談をしても、条件に合う求人に出会えないのであれば、時間のロスにつながります。また、条件の悪い不人気企業やブラック企業の求人をあてがわれる可能性もあります。

希望する条件に合った求人に出会う確率を高めるためにも、豊富な求人数を取り扱っている派遣会社をおすすめします。

特定の業界に特化している

「〇〇専門」といったように、特定の業界に特化している派遣会社にも注意が必要です。業界を絞って求人を探している方にとっては魅力的に見えますが、実際には他社と差別化を図るためにそのように言わざるを得ない可能性が否めません。

実際に比較すると、大手企業の方がその業界の求人を多く取り扱っているというケースも少なくありません。また、特定の業界に特化していたとしても、必ずしも質の高い求人が揃っているとは言い切れません。むしろ、求人数が少ないため、希望に合った求人を紹介してもらえる可能性は低いでしょう。

特定の業界で働きたいと考えている方は、特化型派遣会社だけに登録するのではなく、大手派遣会社も併用して仕事を探すことをおすすめします。実際に派遣として働き始めるまでには複数の派遣会社に登録することができるので、比較しながら検討すると良いでしょう。

福利厚生や有給制度が整っていない

ブラックな派遣会社の特徴の一つに、福利厚生や有給制度が整備されていないことが挙げられます。一般的に、派遣社員は福利厚生を利用できないと思われがちですが、そうとも限りません。大手企業をはじめとして、福利厚生の拡充に力を入れている派遣会社が増えてきています

実際にとある派遣会社では、社会保険制度・年次有給休暇制度・産前産後休業/育児休業制度・介護休業制度など、さまざまな福利厚生を用意しています。産休・育休制度を用意している派遣会社であれば、ライフステージの変化に合わせて柔軟に働き続けることができます。中には、旅行の際に提携先のホテルなどで特典が受けられるところもあります。

福利厚生や有給制度が充実していないからと言って、必ずしも待遇が悪いとは言い切れませんが、スタッフを大切にする社風ではないことは読み取れます。福利厚生の内容は派遣会社によってさまざまなので、あらかじめ確認しておくと良いでしょう。

担当者と反りが合わない

派遣会社を選ぶ際には、担当者の質も重要です。派遣会社では、求人紹介や面接対策・応募書類の添削などのアドバイスを行う担当者がつきますが、中には相性の合わないときもあります。

具体的には「派遣会社への就職を急かしてくる」「希望に合わない求人を紹介される」「レスポンスが遅い」「業界に関する知識が浅い」といった担当者のいる派遣会社には気をつけましょう。精神的なストレスがかかるだけでなく、転職活動がスムーズに進められない恐れもあります。

なるべく複数の派遣会社に登録し、相性の良い担当者に相談することをおすすめします。

勤務先のくわしい情報が記載されていない

勤務先について詳細情報が欠けている派遣会社はおすすめできません。たとえば「仕事内容が不明瞭」「就業先について情報不足」「労働時間が記載されていない」「職場の人数がわからない」といった求人を紹介してくる派遣会社には登録しないようにしましょう。

このような求人はブラック企業である可能性が高く、何か不都合な情報を隠すためにあえて不明瞭な記載にしているケースがほとんどです。また、このような情報不足のままの求人を紹介してくる担当者は、信頼して任せることができません

同じ求人がずっと掲載されている

同じ求人を長期間掲載している派遣会社には気をつけましょう。常に求人を掲載している企業というのは、激務や労働条件が悪いので離職率が高いケースがほとんどです。

また、条件が良いにも関わらず、長い期間掲載されている場合は、釣り求人の可能性があります。いずれにしても、長期間同じ求人を掲載している派遣会社はおすすめできません。

派遣会社選びで気をつけるポイント

派遣会社選びで後悔しないために、気をつけるべきポイントを5つ紹介します。

会社の規模

まず、一つ目のポイントは、会社の規模です。大手派遣会社ほど数多くの求人数を取り扱っているので、希望条件に合った優良企業に出会えるチャンスが高まります

具体的には「運営年月が長い」「コンプライアンス体制が整っている」などを基準に派遣会社を選定しましょう。運営年月が長い派遣会社は、企業との信頼関係が築けている証拠なので、信頼して任せられます。また、多くの人材を確保している派遣会社であれば、手厚いサポートを受けられます。

なお、派遣会社の規模が大きいほど、悪質な求人に出会う確率が低くなります。大手企業では、悪評が流れるリスクを回避するために、求人の質を重視しています。そのため、条件の良い求人に出会える可能性が高いでしょう。

求人案件数

求人案件数は、派遣会社を選ぶ上で重要な要素です。なぜなら、求人件数が不十分な派遣会社は、紹介できる求人の選択肢が狭く、希望に合った就業先に出会えない可能性が高いからです。

反対に、求人件数が充実している派遣会社であれば、豊富な選択肢の中から選ぶことができます。ただし、会社の規模は小さいにも関わらず、不自然に求人数が多い派遣会社には要注意です。実際には取り扱っている求人数が少なく、登録者数を増やすために求人数を誇大しているケースが少なくありません。

しかし、サイト上で求人数の数を正確に把握することは難しいので、なるべく大手の派遣会社を利用することをおすすめします。

優良派遣事業者認定の取得

派遣会社の質を見極めるポイントとして「優良派遣事業者認定」を取得しているかどうかが挙げられます。優良派遣事業者認定とは、法令の遵守に加えて、派遣社員のキャリア形成をバックアップしていたり、良い労働環境の確保に努めていたりする派遣事業者を認定する制度のことです。

現状、優良派遣事業者認定を受けている事業者は大手が多く、求人数も豊富に取り扱っています。派遣先はもちろん、派遣社員にとっても安心できるサービス基準を満たしているため、安心して利用することができます。

人気求人の取り扱い数

求職者から人気の高い求人の取り扱い数にも着目してみましょう。派遣のお仕事の中でも、事務職をはじめとするオフィスワークは人気の高い職種です。

企業としては、優良な求職者を多く紹介してもらえる派遣会社と優先的に取引を行っています。そのため、事務職の求人数が多いということは、取引先の企業と有効な信頼関係を築けている証拠と言えます。

また、企業と確固たる信頼関係を構築している派遣会社は、仕事内容の詳細や職場の雰囲気といった内部事情も把握していることがほとんどです。求人紹介の際に、実際の仕事内容や社内の人間関係などの情報も合わせて教えてくれるので、働き始めてからミスマッチが起こりにくく、結果的に長く安定して働き続けることができるでしょう。

スキルアップ支援の有無

派遣社員として働きながらスキルアップを目指す方は少なくありません。派遣会社によっては、資格取得などのスキルアップ支援や研修を実施しているところもあるので、積極的に活用しましょう。

実際にとある派遣会社では、ビジネスマナー研修やExcel・Word・Accessといった事務系のスキルアップサポート・オフィス英語スキルアップ・CAD・Creative専門職スキルアップ・ITエンジニア専門職スキルアップといった支援を行っています。社会人経験が少ない方はもちろん、専門スキルを磨きたいという方もフォローしてもらえる環境が整っています。

なお、このようなスキルアップのための取り組みは、大手派遣会社で多く採用されています。知識やスキルを身につけて時給アップを目指したい方は、スキルアップ支援の有無にも着目して、登録する派遣会社を選定しましょう。

ブラックな派遣会社かどうか見分ける方法

ブラックな派遣会社かどうか、インターネット上で見分ける方法を紹介します。

企業情報が著しく不足している

まず、企業情報が著しく不足している派遣会社には疑いを持つことが大切です。具体的には「所在地が書いていない」「代表者名が記載されていない」「労働者派遣事業所の届出番号が見つからない」といった会社には、注意が必要です。

派遣事業を行う際には、必ず労働者派遣事業関連申請書を提出し、許可を得なければなりません。中には、労働者派遣事業所の届出を行っておらず、番号をサイト上に掲載していない企業もありますが、ブラックな派遣会社である可能性が高いので、利用しないようにしましょう。

過去に行政処分を受けている

ブラック派遣会社を見抜くポイントとして「過去に行政処分を受けているか」を確認してみましょう。違反が見つかった場合、厚生労働大臣によって指導や改善命令、事業停止命令が下されます。

行政処分を受ける理由としては「特定派遣事業者による無許可派遣」「虚偽求人を広告・掲載している」「事業報告書および収支決算書などの未提出」などが挙げられます。気になる派遣会社があれば、各関係官庁の公式サイト上で検索し、過去に行政処分を受けていないかどうか確認してみましょう。

就業先に大企業や有名企業があるかどうか

ブラックな派遣会社は業界でも信頼性がないため、誰もが聞いたことのある大手企業や有名企業とは取引できません。就業先として紹介されている企業の中に、大手企業や有名企業が見つからない場合には、ブラックな派遣会社である可能性が高いでしょう。

そのような派遣会社では怪しい求人を取り扱っていることが多いため、希望する条件での就労を実現できない可能性があります。

口コミサイトでの評判が悪い

実際にその派遣会社を利用したことのある友人や知人がいる場合には、評判を確認してみましょう。そうでない場合には、口コミサイトを参考にするのがおすすめです。

極端に評価の低い口コミが多数見受けられる場合には要注意です。派遣会社名で検索した際に「やばい」「ブラック」「退職」といったワードが候補として続く場合には、登録を避けた方が良いでしょう。

ただし、悪い内容の口コミはどの会社でも少なからず存在します。重要なのは、その内容です。同じような内容の苦情を複数名が繰り返し投稿している場合には、気をつけた方が良いでしょう。とくに「社会保険未加入」「有給休暇が取れない」「残業代の未払い」「急に契約終了された」などの法律違反を報告する内容があれば、その派遣会社はあまりおすすめできません。

一方で、不自然な高評価レビューが続いている派遣会社にも注意しましょう。過剰に褒めるような口コミが掲載されている場合には、ステルスマーケティングの可能性が高いでしょう。

派遣会社とトラブルが起こった際の対処法

実際に働き始めてから派遣会社とトラブルになってしまったときの対処法を紹介します。

記録を保管する

派遣会社とのトラブルでよくあるのが「給料の未払い」や「書類のミス」です。派遣社員への給料の支払いや契約関連の管理は派遣会社が行っていますが、ブラックな派遣会社の場合は人員が不足していることからトラブルに発展するケースが少なくありません

具体的には、派遣社員として契約書に沿って働いているにも関わらず、給料の支払いが遅延したり、きちんと残業代が支払われなかったりすることもあります。また、契約書類に誤りがあると、仕事内容や勤務時間、勤務日程が異なることから、トラブルになりがちです。

このようなトラブルが起こった際には、まず記録をつけることが大切です。労働時間を残しておいたり、給与明細を保管したりすることを徹底しましょう。その上で、上司や派遣元とのやり取りは口頭ではなく、メールで行い、証拠を残しておきましょう。

相談窓口を活用する

悪徳な派遣会社の場合、求人内容と実際の仕事内容が異なるケースが少なくありません。しかし、派遣会社は、派遣労働者に対して派遣先での業務内容や労働条件を明示する義務があります。求人票と実際の仕事内容に相違があるのなら法律違反なので、すぐに労働基準監督署に連絡しましょう

また、派遣会社とのトラブルとして「有給休暇が取れない」といった悩みを抱えている方は少なくありません。労働基準法によると、仕事を始めてから6か月間継続勤務を行い、全労働日の8割以上出勤した方は、年次有給休暇を取得することができます。さまざまな理由をつけて有給休暇を取らせてもらえない場合にも労働基準監督署に相談してみましょう。

そのほか、契約に関するトラブルや突然の契約打ち切りに関しては「派遣労働者相談センター」継続的な労働条件の改善の交渉や法的アドバイスが欲しいときには「労働組合」に問い合わせてみましょう。少しでも不安を感じた場合には、各種相談窓口を積極的に活用することをおすすめします。

まとめ

今回は、ブラックな派遣会社の特徴や見分け方を紹介しました。派遣社員はライフスタイルに合わせて柔軟に働くことができるというメリットがありますが、中にはブラックな派遣会社に頭を悩まされている方も少なくありません。ブラックな派遣会社は「掲載されている求人数があまりにも少ない」「担当者の対応が悪い」といった特徴があります。優良な派遣会社かどうかを見分けるポイントとしては「人気の高い職種を多く取り扱っているかどうか」「スキルアップ支援制度があるかどうか」などが挙げられます。希望に合った就業先を見つけるためにも、派遣会社に登録する際は慎重に検討することをおすすめします。本記事が参考になれば幸いです。

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ホットスタッフ松本の画像 引用元:https://www.hotstaff.co.jp
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