非正規雇用で働いている人はどれくらいいる?

公開日:2024/11/07  

非正規雇用

松本市では人材派遣サービスを利用して働く人が増えています。人材派遣で働く場合は派遣社員になりますが、いわゆる非正規雇用です。非正規雇用とは正社員以外の形態で働くことで、正社員以外はすべて該当します。派遣社員やパートタイマー、アルバイト、契約社員、嘱託などはすべて非正規雇用です。非正規雇用の労働者は年々増えているといわれています。この記事では非正規雇用で働いている人はどれくらいいるのかについてまとめます。また、男女の差や年齢の差があるのかについても解説していきます。松本市で人材派遣による働き方をお考えの方はぜひ参考にしてください。

雇用者に占める非正規雇用の割合はどれくらいなの?

非正規雇用とは正規の雇用を結ばない働き方です。契約社員、派遣社員、パートタイマー、アルバイトなどはすべて非正規雇用に該当します

日本における非正規雇用は上昇傾向にあります。現在は労働者人口の3分の1を超えるほどです。

ここでは総務省が発表している「労働力調査」という統計から、2004年~2023年の10年間で非正規雇用の人数や割合はどのように推移したのかまとめてみます。

非正規雇用人数は20年間で560万人増えている

まずは正規雇用人数と非正規雇用人数を確認してみましょう。正規雇用人数は2004年度は3,410万人でした。2014年頃には正規雇用者の数が減少しますがそこから数は増え、2023年度は3,606万人になっています。20年間で正規雇用人数は196万人アップしました

非正規雇用人数は2004年度は1,564万人でした。2019年までは年々増加していましたが、コロナショックにより2020年は減少します。コロナ禍が落ち着いた2022年から再び増加傾向にあり、2023年度は2,124万人でした。

非正規雇用人数はこの20年間で560万人アップしています。正規雇用が20年間で増加した人数は196万人だったので、どれだけ増えているのかがよく分かります。

非正規雇用人数の割合は37%を突破

雇用者全体のうちで正規雇用と非正規雇用がそれぞれ何割を占めているのかを調べてみました。

雇用者に占める正規雇用人数比率は2004年度で68.6%で毎年徐々に減少しています。コロナ禍で多少増えたものの、2023年における正社員比率は62.9%でした。

一方、雇用者に占める非正規雇用の人数の比率は2004年度は31.4%でした。コロナ禍で多少減少したものの、2023年における非正規雇用比率は37.1%でした。この20年間で5.7%も増えています。

雇用者に占める正規雇用人数の割合が減る一方で、非正規雇用者数が年々増加傾向にあります。100人中37人は非正規雇用で働いているのです。非正規雇用者の増加が顕著であることが理解できます。

非正規雇用の内訳・推移を徹底解説

非正規雇用には契約社員、嘱託社員、派遣社員、アルバイト、パートなどさまざまな雇用形態があります。ここでは雇用形態別に20年間でどのように推移しているのかをまとめてみましょう。また、男女別・年齢別の割合も解説していきます。

パート・アルバイト比率が上昇傾向

パートは2004年度は763万人だったのが、2023年度には1,030万人でした。20年間で267万人アップとなっており、パートタイム率は48.5%に達しています。

アルバイトは2004年度は333万人だったのが、2023年度には459万人になっています。20年間で126万人アップとなっており、アルバイトが21.6%を占めているのです。

派遣社員は2004年度は85万人だったのが、2023年度には156万人でした。20年間で71万人アップとなっており、派遣社員が占める比率は7.3%です。

契約社員の統計は2012年までは「契約社員・嘱託社員」で一緒に統計されていました。2004年度は255万人だったのが、2023年度には283万人になっています。20年間で28万人アップとなっており、契約社員の比率は13.3%でした。

嘱託社員の統計は2012年までは「契約社員・嘱託社員」となっていたので、嘱託社員だけでの統計は2013年からになります。嘱託社員は2013年度は116万人だったのが、2023年度には111万人になっています。11年間で5万人減少しており、5.2%を嘱託社員が占めています。

この結果からも分かるように、パートとアルバイトが非正規雇用の70.1%を占めており、年々増える傾向にあります。

非正規雇用は女性の割合が高い

男性の非正規雇用は2004年度で466万人でした。2009年度に一度減少するもののそこから右肩上がりで増え、2020年にコロナショックの影響を受けましたが2022年度からは上昇傾向にあります。2023年度には683万人となっており、20年間で217万人アップです。

女性の非正規雇用は2004年度は1,098万人でした。男性と同じく2009年に一度減少し、そこから増加し、コロナショックで減少するものの2022年度から再び増加しています。2023年度には1441万人となっており、20年間で343万人アップしています。

2023年時点では男性683万人に対して女性1441万人なので、女性の方が男性より2.1倍も非正規雇用者が多いことがわかりました

雇用者に占める女性の非正規雇用の割合は2004年時点で51.7%で、2023年度には53.2%まで上がっています。非正規雇用で働く女性がたくさんいることが明確です。

65歳以上の非正規雇用者の割合が増加している

年齢階級別の推移を整理してみましょう。

15歳~24歳は2004年度は253万人であり、2023年度は277万人という結果でした。20年間で24万人アップしており、全体の13%を占めています。

25歳~34歳は2004年度は310万人であり、2024年度は237万人に減少していました。20年間で73万人ダウンしており、全体の11.2%を占めています。

35歳~44歳は2004年度は292万人であり、2023年度は312万人とわずかに上昇していました。20年間で20万人アップしており、全体の14.7%を占めています。

45歳~54歳は2004年度は316万人であり、2023年度は430万人と増加していました。20年間で114万人アップしており、全体の20.2%を占めています。

55歳~64歳は2004年度は296万人であり、2023年度は451万人と大幅に増えていました。20年間で155万人アップしており、全体の21.2%を占めています。

65歳以上は2004年度は96万人であり、2023年度は417万人と増加率が顕著でした。20年間で321万人アップしており、全体の19.6%を占めています。全体の割合で最も多いのは55歳~64歳の階級で、次いで45~54歳、65歳以上となりました。

この結果から20年間で最も増えた年齢階級は65歳以上であることがわかりました。65歳以上の非正規雇用労働者は20年間で321万人も増えており、20年前は全体の占める比率が6.3%であったのが、2023年度には19.6%まで増加しています。

まとめ

総務省の統計「労働力調査」のデータからさまざまなことが分かりました。非正規雇用者は20年間で560万人も増えており、雇用者に占める比率は37%を超えています。とくにパート・アルバイトとしての働き方が増えており、70%を超えているのです。また、派遣社員の割合も増えており、派遣社員として働く人が今後さらに増えることが予想されます。非正規雇用で働く労働者は女性に多く、とくに近年では65歳以上の高齢者層での増加が顕著です。コロナ禍で一時期は数も減っていましたが、再び上昇傾向に転じています。今後もその数は増えていくでしょう。

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